【おすすめ本:経済】『これならわかるよ!経済思想史』
前回書いた、
『やりなおす経済史---本当はよくわかっていない人の2時間で読む教養入門』を
読んで、より経済史を知りたくなったので、
表題の本を読みました。
結論『やりなおす経済史』が面白いと思えた方にはおすすめです!
理由も以下記載します。
■題名/著者名
『これならわかるよ!経済思想史』
坪井 賢一 (著)
■概要
古典派経済学、新古典派経済学、
各経済思想についの概念とポイントを学ぶことのできる本です。
■3つの特徴
・数学が苦手な人でも読みやすく理解できます!
経済学なので数式はもちろん出てきますが、
数学が苦手な方(私のように後ずさりしてしまう方) でも
理解しやすいよう、日常に即した事例をあげながら説明されています。
・時代の流れだけでは見えない経済史の面白さがわかります。
時代だけでなく、国や大学によっても
それぞれ異なる経済思想を持っていることがわかり、
より経済史を楽しめます。
・歴代ノーベル賞受賞者から見る経済学のトレンド等、
普段私たちが接しているニュースの裏側も経済史の観点で
解き明かされています。
受賞者が米国に集中している理由、説明できますか?
■その他
(1)『やりなおす経済史---本当はよくわかっていない人の2時間で読む教養入門』と併せて読むのがおすすめです!
『やりなおす経済史---本当はよくわかっていない人の2時間で読む教養入門』は、
各経済思想を詳細に説明するというよりは、
時代の流れやテンポを重視している印象です。
本書は『やりなおす経済史』とは違い、
歴史の流れよりも各経済思想史の概要について重点が置かれています。
そのため、上記2冊を合わせて読むと
経済史をより深く楽しむことができると思います。
どちらも経済学を学んだことのない方でも
理解できる内容なのでおすすめです!
(2)個人的に本書で学びになった点
メモレベルで学びになった点を記載してみました。
詳しくは本書に書いてありますので、ぜひ読んでみてください。
「統治の唯一の正しい、そして正当視することのできる目的は、
最大多数の最大幸福である」
→社会人になると、従業員管理の方法の
ポイントのようにも聞こえてしまいました(笑)
・1815 穀物法
→貴族と資本家それぞれの欲望のぶつかり合いが垣間見えます。
搾取するものに対して、労働者は搾取されるものという構図は
今も変わらないですね。。
概要としては・・・
貴族(地主)が自分たちの利益を保持するため、
穀物の価格を高値で維持するため穀物の輸入制限を議会に働きかけた。
議会は貴族の多数派だったので可決。
↓
資本家は自身の利益が減ってしまうため反発。
当時の英国では、労働者の賃金は
食べていけるギリギリの額に設定されており、
小麦の価格が上がれば食費が高くなり賃金を上げる必要が出てくるため。
・1817 デヴィッド・リカード
「経済学および課税の原理」(比較優位説)
→スティグリッツ(1943~)の解説が経済学に限らず活かせる知識だと思いました。
比較優位が生まれる条件4つ
・天然資源の存在量、気候などの自然条件
・物的資本、人的資本など、後から獲得した資源の存在量
・歴史上の偶然、人為的な政策によってもたらされた科学技術上の優位性、
蓄積された知識
・同条件下の諸国でも比較優位を生み出す「特化」
→別分野でも活かせそうな知識としては
埋没費用(サンクコスト)もあるかなと思います。
比較優位説の機会費用のように考慮するべき項目とは逆に
考慮してはならない費用がある。それが埋没費用。
埋没費用は取り戻せない費用(支払い済みの費用)のことで
経済学的には考慮しない。
サンクコストは将来の意思決定には無関係である。
個人の自由を認めない体制は長くは続かない。
→これも従業員管理に当てはまりますね。
自身の利益のために従業員を搾取しすぎて問題になるケースは
影響範囲は違えど多くの組織で起こっているのではないでしょうか。
以上です。
自分が学んだことの棚卸しの意味もありますが、
おすすめしたかったため記事書いてみました。
ぜひ読んでみてください!